シミ・そばかす
シミ・そばかす
皮膚の表皮にある色素沈着のことを一般的にシミと呼んでいます。シミには加齢や紫外線によるもの、ホルモンが関与するもの、炎症によるものなどがありそれぞれ治療法が異なっています。当院ではシミを原因別及び組織学的に診断し、それぞれに応じた治療法を選択していきます。(真皮にある色素沈着は「あざ」で、健康保険の適用となります。)
皮膚老化にしめる加齢による衰えは2割に過ぎず、残りの8割は紫外線などによる光老化が原因とされています。シミもこの光老化の一病変とみることができ、光老化を予防・治療する視点からもシミ治療を行なっています。(院長コラムをご参照ください。)
最近の美容皮膚科は大変進んできており、従来のスキンケアでは得られないような健康でとても質の高い綺麗な肌に仕上げていきます。
シミの種類と神戸山手クリニックの治療法
老人性色素斑
20代以降の顔面、手背等の露出部にみられる茶色の境界明瞭な類円型の、主に紫外線によるシミのことです。加齢と共に濃くなりますが、表面が隆起してくると脂漏性角化症とか老人性疣贅と呼ばれます。いずれもQスイッチルビーレーザー、イーロスプラス等で治療し、良い結果が得られます。
雀卵斑(そばかす)
顔面や手背等にできる多発性の小斑点状のシミです。紫外線により夏に濃くなり、冬に淡くなります。Qスイッチルビーレーザーやイーロスプラスで治療します。
肝斑
顔面にできる左右対称性の褐色の色素斑で地図状に広範囲に広がるものもあり、紫外線により濃くなります。 女性ホルモンによるメラノサイトの活性化が原因といわれ、妊娠、経口避妊薬で出現することもあり、閉経後は自然消退が期待できます。 肝斑はレーザー照射で濃くなるため、トレチノイン・ハイドロキノン、ビタミンCイオン導入などで治療します。
太田母斑・遅発性太田母斑
太田母斑は頬部等にできる薄いグレー色又は茶色の色素斑で、思春期の頃からできるものを遅発性太田母斑といいます。
通常の表皮性のシミとは違い、真皮にできるシミ(あざ)で、健康保険が適用でき、Qスイッチルビーレーザーを3ヶ月ごとに5回まで照射が可能です。
炎症後色素沈着
熱傷やケガ、ニキビなど、何らかの原因で皮膚に炎症が起こった後、皮膚は元に戻ろうと一時的にメラニンを多く作り、一過性のシミ(炎症後色素沈着)ができます。多くは段々色が薄くなり、元の皮膚の色に戻りますが、炎症していた期間が長かったりすると、炎症後色素沈着としてシミが残る場合があります。トレチノイン・ハイドロキノンで治療します。
化粧品皮膚炎後のシミは炎症後色素沈着のひとつで、肌に合わない化粧品などの慢性使用により中年女性の顔面に好発するシミですが、肝班と違いシミは眼瞼縁まで色素沈着が達します。治療は、まずパッチテストをして原因物質を特定し、それを使用しないようにする必要があります。ビタミンCイオン導入、ビタミンAクリーム、トレチノイン・ハイドロキノンを使用し、ステロイド外用薬が必要なこともありますが、軽快するのに長期間を要します。
脂漏性角化症
老人性疣贅ともいわれ加齢とともに高率に見られる褐色調の良性上皮性腫瘍です。レーザー治療やトレチノイン・ハイドロキノン軟膏で綺麗に取れます。
シミの治療法
イーロスプラスSR/SRA(フォトRF)
イーロスプラスはフォトRFのバージョンアップ機器ですが、シミ・くすみ・赤ら顔・肌のタルミ・毛穴の開きを改善し、脱毛もできるとても人気のある美肌治療機器です。特にSRAアプリケーターはシミ・くすみに良く反応して深いシミにも対応でき、とても優れています。老人性色素斑やソバカスなど顔全体のシミが多い場合に、全顔に照射することで効果が高い機器です。
SRAアプリケーターをを使いこなすクリニックは少ないようですが、当院では照射前に麻酔ジェルを塗布し、高いパワーと適切な波長を設定して医師が施術を行なっていますので、高い効果が得られています。
照射後の経過
シミがイーロスプラス照射に反応すると濃いコゲ(痂皮)をつくり、それが次第に浮き上がってきて一週間ほどでポロポロと剥がれ落ちていき、白い透明度の高い肌になります。その他にも毛穴が引き締まって肌に張りが出たり、むだ毛を脱毛したり、化粧のりがよくなったりと、総合的な美肌機器としてとても優れています。当院で一番人気のある治療法です。
1回の照射で効果はありますが、数回の照射が必要な場合もあります。また、その部位に長期間あったり深いところにあったシミは、再発しやすかったり薄く残ることがありますので、シミの治療後はホームケアがとても大事です。トレチノイン(ビタミンAの薬剤タイプ)、ビタミンA・C・E配合の化粧品、ハイドロキノンクリームのご使用をお勧めしています。
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症例写真1
BEFORE
AFTER
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症例写真2
BEFORE
AFTER
イーロスプラスSR/SRA施術後の注意点
イーロスプラスはいずれのアプリケーターも熱エネルギーを使用し、皮膚の表皮や真皮にダメージを与えて効果を発揮する治療です。そのため、照射直後は皮膚に炎症が起きた状態になります。赤みが出たり、ヒリヒリ感がある場合は保冷材で冷やしてください。また炎症後色素沈着を防ぐため、施術後直射日光は避け、必ずUVクリームを使用してください。
治療費用
シミ取り放題キャンペーン イーロスプラスSRA 全顔 |
30,000円(税込 33,000円) (通常35,000円(税込 38,500円)) |
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イーロスプラスSRA 頬部 | 25,000円(税込 27,500円) |
イーロスプラスSR | 30,000円(税込 33,000円) |
麻酔ジェル塗布 | 2,500円(税込 2,750円) |
初診料 |
1,500円(税込 1,650円)
※当日照射された場合 3,000円(税込 3,300円)
※診察のみ |
再診料 | 700円(税込 770円) |
照射料の他に診察料と麻酔ジェル代2,500円(税込2,750円)が必要です。
Qスイッチルビーレーザー
目立つシミが多くない方は1つずつ除去していくQスイッチルビーレーザーをもお勧めです。また、フォトRFやSRAで除去できなかったシミにはQスイッチルビーレーザーで対応します。1億分の1秒ほどの瞬間の照射ですから皮膚へのダメージが少なく、仕上がりがとても綺麗です。
Qスイッチルビーレーザーで治療後はホームケアがとても大事です。トレチノイン(ビタミンAの薬剤タイプ)、ビタミンA・C・E配合の化粧品、ハイドロキノンクリームのご使用をお勧めしています。
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症例写真
BEFORE
AFTER
Qスイッチルビーレーザー照射後の注意点
黒色に反応するレーザーを使用し、皮膚の表皮や真皮にダメージを与えて効果を発揮する治療です。そのため、照射直後は皮膚に炎症が起きた状態になります。施術後は肌色のテープを2週間貼ったままにしていただきます。赤みが出たり、ヒリヒリ感がある場合は保冷材で冷やしてください。2週間後、テープを外した後は、炎症後色素沈着を防ぐため直射日光は避け、必ずUVクリームを使用してください。
治療費用
Qスイッチルビーレーザー(表皮性のシミ) | 自費治療 | 1cm×1cm 10,000円(税込 11,000円) |
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Qスイッチルビーレーザー(遅発性太田母斑) | 健康保険 | 約6,000円(4㎠) 〜 約12,000円(64㎠) ※照射範囲により保険点数で計算します。 |
初診料 | 自費治療 |
1,500円(税込 1,650円)
※当日照射された場合 3,000円(税込 3,300円) ※診察のみ |
健康保険 | 870円(遅発性太田母斑) | |
再診料 | 自費治療 | 700円(税込 770円) |
健康保険 | 380円(遅発性太田母斑) |
健康保険の初診料・再診料は、土曜日13時以降・平日18時以降のご来院やマイナンバーの提示の有無等により3割負担で10円~150円程度加算されます。
トレチノイン・ハイドロキノン
ビタミンA誘導体であるトレチノインを皮膚に塗りターンオーバーを著しく早めた状態にしておいて、その上に美白作用のあるハイドロキノンを塗布しシミをとっていく方法です。この方法はとても優れていて、レーザー治療やフォトの照射が難しい炎症性色素沈着や肝班に対しても効果が見られます。当院では0.05%・0.1%・0.2%・0.3%・0.4%・0.6%のトレチノインゲル、5%ハイドロキノンをご用意しています。
レーザーやフォトを照射した、シミ治療後のホームケアにもとてもお勧めです。
治療費用
トレチノイン 4g | 0.05% 3,000円(税込 3,300円) 0.1% 4,000円(税込 4,400円) 0.2% 5,000円(税込 5,500円) 0.4% 7,000円(税込 7,700円) 0.6% 9,000円(税込 9,900円) |
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ハイドロキノン 5% | 10g 3,500円(税込 3,850円) |
初診料 |
1,500円(税込 1,650円)
※当日処方された場合 3,000円(税込 3,300円) ※診察のみ |
再診料 | 700円(税込 770円) |
ケミカルピーリング+イオン導入
当院のケミカルピーリングは乳酸を皮膚に塗り、安全に確実に行ないます。ゆで卵の薄皮を剥がすように皮膚表面の老化角質をピーリングして、皮膚の新陳代謝とターンオーバーを促進し、シミ、くすみ、ニキビ、小ジワなどの修復に優れた効果があります。お肌の若返り効果もあります。1週間に1回のペースで6回行いますが、終了時には皮膚は全く新しい皮膚細胞に置き換わり、透明度の高いみずみずしい肌が甦ります。
イオン導入はイオン導入器を使って微弱な電流を流し、ビタミンCやプラセンタを瞬時に皮膚の深部まで浸透させる方法です。元々、天然のビタミンCは水に溶けやすく不安定でイオンを帯びていませんが、ビタミンCには当院ではリン酸化しマイナスイオンを帯びて安定したビタミンC誘導体(リン酸アスコルビン酸NaまたはMg)を使用しています。ビタミンCの強い美白作用、抗酸化作用と、プラセンタの美肌作用により、シミ、くすみ、ニキビやシワを改善し、ハリのあるお肌になります。ケミカルピーリング後は有効成分が皮膚に浸透しやすくなるので、直後にイオン導入を行なうことで、より良い結果が得られます。
治療費用
ケミカルピーリング | 6,000円(税込 6,600円) |
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イオン導入 ※オプション |
ビタミンC 2,000円(税込 2,200円) ビタミンC+プラセンタ 3,000円(税込 3,300円) |
ローズビタミントリートメント (イオン導入) ※オプション |
5,000円(税込 5,500円) ビタミンA/C/B5/E |
初診料 |
1,500円(税込 1,650円)
※当日照射された場合 3,000円(税込 3,300円)
※診察のみ |
再診料 | 700円(税込 770円) |
シミの知識
肌の色
肌の色は主にメラニンの褐色と、血液中のヘモグロビンによる赤み、カロチンによる黄みで構成され、人それぞれの持つ色素の量とバランスによって個性を与えます。この中でメラニン色素は表皮の基底層のメラノサイト(メラニン色素を作る細胞)によってメラニン顆粒(メラノソーム)というの中につくられます。メラノサイトは表皮の基底細胞36個に対して1個の密度で分布し、それぞれのメラノサイトが守備範囲の表皮細胞に均一に腕を伸ばしてメラニン顆粒を注入し、肌の色はムラなく自然な感じになると考えられています。
日焼けの原因「紫外線」
太陽光線はさまざまな波長の電磁波からなり、波長の短いほうからガンマ線・エックス線・紫外線・可視光線・赤外線・マイクロ波・電波などに分類されます。このうち、波長の短いガンマ線・エックス線およびUVC(短波長紫外線)と、UVB(中波長紫外線)は地球を取り巻くオゾン層や大気圏を通過するときにカットされますが、290nm以上のUVB(中波長紫外線)とUVA(長波長紫外線)の一部は地上に届き、肌にさまざまな影響を与えます。
一般的に海水浴や山登りなどで日焼けをするのはUVBの仕業です。UVBは、表皮からその下の真皮の浅い部分にまで達して皮膚に炎症を起こさせます。炎症による『紅斑』をおこす力がUVAの千倍近くもあり、日焼けによる急性の炎症と炎症後色素沈着を起こす原因となっています。
UVAは、真皮から皮下組織にまで到達します。UVBのような強い作用はありませんが、長期間浴び続けると、深いシワやシミを作る原因となります。これを通常の加齢とは区別して『光老化』といいます。
日焼け反応
強いUVBを受けた皮膚では活性酸素や脂質に活性酵素が結合した過酸化脂質が発生し、細胞を傷つけます。傷つけられた細胞からはさまざまな化学伝達物質が放出されて炎症反応が始まります。真皮の毛細血管の周辺にある肥満細胞(マスト細胞)からは、ヒスタミンなどの炎症を引き起こす物質が放出され、その影響で毛細血管は拡張し、血管内から体液が漏れ出して皮膚組織内にたまります。皮膚が赤く腫れ上がるのはこのためです。これが「サンバーン」という状態で、日焼け直後から現れ、24時間以内にピークに達する反応です。
こうした一連の炎症反応が刺激となって表皮の基底層にあるメラノサイトが活性化し、盛んにメラニン色素をつくり、どんどんと表皮細胞に送り込みます。これを「サンタン」といい、「サンバーン」の後、肌色が黒くなるのはこのためです。
また炎症は紫外線によって傷ついた皮膚組織の修復を早める合図にもなっています。そのため、表皮の細胞分裂が加速されて、新しい組織の構築が急速に進み、傷ついた組織は剥がれていきます。日焼け後、皮が剥けるのはこのためです。ただし、組織修復のために新生される表皮細胞は、本来のバリア力のある角質層を形成できないため、皮膚は乾燥して硬く透明感のない状態になりがちです。
このように、UVBを浴びた皮膚は炎症を伴う複雑な経過を経てダイナミックな変化を示した後、やがて、さまざまな機能がバランスをとりもどして正常化に向かいます。ところが、日焼けを繰り返しているとメラノサイトの一部が活発化したまま、メラニン色素を大量につくり続けたり、メラニンの排泄が滞ることによって、シミやソバカス・くすみなどの症状が残る場合があります。
光老化に対する美白のスキンケア
最も重要なことは、日焼けに対する予防から日焼け後の肌の修復までの経過を総合的にケアするということです。日焼けによる炎症が色素沈着や乾燥などを引き起こしていくプロセスを5つのステップに分けての対策法は以下のとおりです。
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日焼けしないように心がける
通常は日差しに対して意識を持って生活をしていても、かなりの紫外線を受けてしまうものです。日常生活においても、帽子やUVクリーム・ファンデーションで肌を守り、素肌を紫外線にさらさない習慣が美しく健やかな肌を保つ基本となります。
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日焼けによる炎症を最小限に抑える
日焼けによる炎症が悪化すればするほど、その後の色素沈着や皮膚組織のダメージがひどくなります。生活の中でちょっとした日焼けでも小さな炎症を繰り返しているといわれています。毎日のお手入れにおいても、炎症の原因となる活性酸素や過酸化脂質の生成を抑えることが大切です(抗酸化)。海や山でしっかり日焼けしてしまった場合は、まずは氷などで冷し、炎症や痛みを和らげることが先決です。さらに化膿などの二次感染をおこさないように、清潔を心がけることも大切です。
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皮膚の保湿を念入りにする
炎症によって傷ついた組織のはがれや不完全な角質層バリアの保湿力を補うために、通常よりも念入りな保湿が必要です。化粧水はしっかり浸透させるか、マスクに含浸させてパックするなどしていたわりましょう。
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メラニンの過剰生成を抑制する
紫外線や炎症反応で活発化した酸化酵素チロシナーゼ(メラニンの合成酵素)を還元するビタミンC・ハイドロキノンなどの有効成分配合する美白化粧品などを用います。ビタミンCは水溶性のため、塗るだけでは私たちの皮膚には浸透しにくいため、ホームケアでのイオン導入やサロンでのビタミントリートメントがお勧めです。
チロシンがだんだん酸化して濃くなり、シミやソバカスになっていきます。
強力な酸化物のイソジン(シミ)にビタミンCを入れ、還元(美白)された様子です。
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過剰なメラニンを速やかに取り除く
表皮の新陳代謝が衰えている場合は、日焼け後の色素沈着が長期間にわたり、くすみやシミなどの症状を残す場合があります。新陳代謝を高めるトリートメントやパックによって、滞ったメラニンの排泄を円滑にすることが有効です。また、フルーツ酸で古くなった角質細胞とともに除去する方法(ケミカルピーリング)やフォト、レーザーも有効です。日焼けといえば、強い紫外線を浴びるアウトドアのレジャーが思い浮かぶかもしれませんが、むしろ注意しなければならないのは生活紫外線です。私たちは知らず知らずのうちに日常生活の中で、紫外線を浴びており、たとえ皮膚が赤く腫れ上がらなくても、その影響を蓄積し続け、その総量はレジャーで受ける量の10倍以上になるという報告もあります。
初診・ご予約について
初診・診察につきましては下記の予約システム、または電話にて予約してください。