ニキビが塗り薬や飲み薬で悪化して、痒みが出ていませんか?
2018年09月23日ニキビ治療
当院はにきび治療に力を入れていますので、重症にきびの方もたくさん受診していただいてます。
その中でもよくいらっしゃるのが、「保険診療で抗生剤の飲み薬や塗り薬を処方されて使い続けるうちににきびがどんどんひどくなり、痒みがおさまらなくなりました。」と受診される患者さんです。
長い期間、同じ抗生剤を使い続けると耐性菌の問題もありますが、常在菌のバランスが崩れ、真菌(カビ)が繁殖して痒みが出る場合があります。
にきびに対して飲み薬の抗生剤を処方され、飲み続けた結果膣カンジダになったという患者さんもいらっしゃいます。
そういう場合は、当院では今まで使っていたお薬や化粧品を全てやめていただき、マイクロ排膿とビタミンCのイオン導入、スキンケアを提示させていただく事で経過をみます。
たったそれだけの事ですが、2回、3回とマイクロ排膿を受けられるうちに患者さんは痒みがおさまっていき、炎症を起こしていた肌もだんだんと赤みがひいていき、次のステップであるビタミンAの外用などに進めます。
院長は外科出身で、私は形成外科医ですが、体内に膿が溜まる『膿瘍』というものを形成してしまった場合、抗生剤だけの治療では効果がない事も多く、外科医はこの膿瘍から膿を出すために『切開排膿』という手術や処置を行います。
(大きい病院でフルタイムで働いていた頃は、この緊急の処置のため、夜中でもよく呼ばれて病院に向かいました。)
この処置できちんと膿を排出できると、患者さんの血液検査の炎症反応はみるみる下がり、全身状態もどんどん回復していきます。
重症にきびの患者さんは、膿瘍の深さの浅いものの呼び方である『膿疱』を形成している事が多いです。
院長の外科的な考えで、にきびと言えどもたまった膿を排出しないと治癒しないと考え、マイクロ排膿はうまれました。
膿がたまっているのに、塗り薬や飲み薬の抗生剤で経過をみても、熱を帯びて痒みが続き、色素沈着も残して、なかなか綺麗には治りませんよね。
デュアックやベピオ、ディフェリンもにきびの治療薬ですが、扱い方が難しく、痒みやヒリヒリ感でさらに悪化する方もおられますので、こちらのお薬のお話もまた後日書きますね。(Dr.吉永)